不正咬合の種類と原因


不正咬合の種類は大きく分けて下記のようになります。 ただし一つの症状だけでなく、複数の症状が混在しているのが一般的です。


上顎前突症 下顎後退症


上顎が頭部基準点に対して前後的に前方に位置する症例を上顎前突症、下顎が同基準点に対して後方に位置する症例を下顎後退症と言います。 この2つの症例はコンビネーションとして見られますが、日本人の場合は下顎後退症の割合が高く(90%以上)、単独の上顎前突症はほとんど見られません。

(原因) 鼻呼吸ができないことによる口呼吸が原因です。 口呼吸のため舌が下方に転位して、上下歯列の変形を起こすためと考えられます。


上顎後退症 下顎前突症

上顎が頭部基準点に対して前後的に後方に位置する症例を上顎後退症、下顎が同基準点に対して前方に位置する症例を下顎前突症と言います。 この2つの症例はコンビネーションとして見られますが、上顎後退症の比率は高く、単独の下顎前突症は減少傾向にあります。

(原因) 乳歯列期から混合歯列期にかけての、軽度の上下顎の成長の差から発症する前歯部反対咬合が上顎の前方成長抑制と下顎の前方成長を促進するため発生します。




そう生症


顎の大きさに対して相対的に歯の幅の大きさが大きいことで発症します。 個々の歯が歯列からはみ出るようにバラバラ(乱杭)な状態であるもので、犬歯が外側に飛び出しているものが典型的な例として知られています。

(原因) 口呼吸による咬合時間の低下に起因する、顎の成長量の不足が主な発症原因です。 また歯の幅(歯幅径)の巨大化も原因になります。



開咬症

上下顎前歯が上下的に離開した状態で、臼歯部のみが咬合している症例です。

(原因) 口呼吸のため舌が下方に転位して、ちょうど前歯で咬める位置に来るようになり、長時間にわたり舌を咬み続けることにより発症します。

過がい咬合症

前歯が上下的に深く咬んでいる症例です。 前から見ると、上顎前歯が下顎前歯を隠している状態になります。 

(原因) 顎の垂直方向(上下方向)の発育の不足により発症します。 ストレスなどで起こる夜間のかみしめなどが主な原因と考えられます。

 

空隙症

顎の大きさに対して相対的に歯が小さいため、歯と歯の間に空隙が存在する症例です。 

(原因) 歯の大きさが小さいこと、顎骨が大きいこと、夜間の噛みしめなどが考えられます。